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勝川さん、本人が食べたくないからって鯨肉の消費傾向まで裏付けなく結論付けては問題なのでは?

 ITQという新しい漁業管理法について大変参考になった勝川氏のサイトで捕鯨をテーマにした記事が書かれていた。といっても勝川氏はどうも捕鯨についてはあまり専門的な知識がないのか、自分の体験から勝手に今後の捕鯨について結論付けている節が決行見られます。かといって、参考になる内容もあるのでこれはまた、鯨論、闘論にでも、投稿してみるとしましょう。まずは、これ

http://kaiseki.ori.u-tokyo.ac.jp/~katukawa/blog/study/0475/

今現在、高い金を出して鯨肉をありがたがって食っているのは、中高年のノスタルジーであろう。
値段の価値があるかというと、正直微妙というか価値は無いと思う。料理の盛り合わせに1品入ってくるようなクジラ肉が美味しかった試しがない。俺がまた行きたいと思ったのは、札幌の「おばんざい くじら亭」ぐらいだろうか。今のままでは、鯨食の裾野は広がっていかずに、じり貧だろう。鯨肉にノスタルジーを感じる世代がいなくなれば、それで終わりである。これでは文化とは呼べないだろう。日常的に食べてこそ文化であり、調査捕鯨では鯨食文化は守れない。逆に日本人が日常的に食べれるほど獲ったら、どう見ても調査ではないだろう。
どうも、学校給食に鯨肉を出すようになった学校が3500校にまで増えたという事実をしらないようですな。唯、地方によっては鯨肉の消費量も違うので入荷する鯨肉も良質なものではない場合が地方によっては決行多かったりします。勝川さんがもし、「日常的に食べてこそ文化」だとおっしゃるならば日常的に食べない「ハレの日」の食事もやめるべきだというのでしょうかね?おせち料理やお雑煮とか。黒豆も食べるのは正月のときくらいですしね。餅もおなじです。ちなみに鯨肉は地方によってはあまり食べないところもあり、これは地方によって売られる魚が違ってくる水産物の特徴を良く表しています。関西ではベラが良く売られているが関東ではない。ハモやフグなんかでも同じですし、下関ではイクラが市場に行ってもめったに見かけなかったりします。数の子は時期が来れば普通に売っていますが。

さて、勝川氏はもう一つ大きな誤解をしています

http://kaiseki.ori.u-tokyo.ac.jp/~katukawa/blog/2008/01/post_274.html

明治以前は殆どの日本人はクジラを口にしていなかった。日本人の多くがクジラを口にしたのは食糧難の時代であり、文化というよりは栄養的なものが背景にあった。自分自身が給食でクジラ肉を食べるときにも、その他の肉と同様にその生産過程には無関心であった。現在は、クジラが希少価値ゆえに有り難がられているだけで、スーパーに普通に並ぶようになったら、他の食材と同じように、ただ、買ってきて食べるだけのものになるだろう。
どうやら江戸時代、都市住民の鯨肉の消費量が現在の人口に換算すると一人当たり7~8倍であったことがわからないようですな。また、江戸時代に「鯨肉調味法」なる鯨肉調理の専門書まで作られたわけですから、ほとんど食べない場合は専門書なんて作られないでしょ。ちなみに鋤焼も畜産物が解禁になるまでは鯨肉が他の獣肉、海産物と共に用いられた板ということです。

このほかにも勝川氏はIWCを脱退したほうがよく、沿岸捕鯨だけで細々とやっていくのが一番といっていますが、

http://kaiseki.ori.u-tokyo.ac.jp/~katukawa/blog/2007/11/post_235.html

IWCを一時的に脱退して沿岸捕鯨で一定量を国内供給するのが良いだろう。
国連海洋法によって他国の海域を回遊するミンククジラは取れませんし、結局沿岸の小型鯨類しか捕獲できず、結果として現在消費している鯨肉の消費量をまかなうことができません。南氷洋、北西太平洋における鯨類の科学的調査が停滞し、科学の発展に取り返しのつかない障害が発生してしまいます。インド洋の鯨類調査が全くといっていいほど進んでいないのがいい例です。IWC脱退ですが、すでにIWCに変わる鯨類国際管理機関の発足も提案され、同調する人も続出しています。

http://www.e-kujira.or.jp/geiron/morishita/1/#c43

今年の IWC サンチャゴ会議では,鯨類の持続的利用を支持する様々な国の専門家が集まって考えた新たな国際機関のアイディアについて意見交換を行うイベントが IWC の場外で行われました。このイベントは,豪州人で元ワシントン条約(CITES)動物委員会議長のジェンキンス氏が議長を務め,プレスにも公開されました。新たな国際機関の目的や基本的な仕組みについての文書も作られ配布されています。
 専門家たちの立場は,現在 IWC がその危機を救うために行っている正常化の作業は支持しながら,それが失敗した場合には新たな国際機関をすぐに設置できるように検討を進めるというもので,“セーフティーネット”構想と呼ばれています。これが必要となるか,成功するかは今の段階では分かりませんが,この構想では,鯨類の利用と保護の双方のバランスを達成することを基本的考え方としています。来年(2009年)の IWC マデイラ会議までには,さらに詳細な“セーフティネット”構想の内容が出てくるはずです。
よって勝川氏の捕鯨に関する意見は勉強不足ともとれる内容が数多く見受けられますが、一点だけ気になる意見がありましたので、紹介しておきます。

http://kaiseki.ori.u-tokyo.ac.jp/~katukawa/blog/2007/11/post_234.html

(商業捕鯨を再開し、鯨肉の輸入も解禁になれば)新しい食の選択肢がぐっと増えて、俺のような貧乏人の食生活が少し豊かになるだろう。その代わり、べらぼうな値段を付けている日本の調査捕鯨の副産物は不良在庫となり、調査捕鯨は資金的に成り立たなくなるだろう
これは私も以前から気になっていましたが、どうなのでしょうかね?鯨論闘論の質問箱にでも投稿してみようかな?

追記、「鯨調味方」の内容を紹介するHPと原文すべてを紹介するHPが見つかりました。
http://www.rakuten.ne.jp/gold/kuziran/geinikutyoumikata.htm
http://record.museum.kyushu-u.ac.jp/ikiisana/page.html?style=a&part=1&no=1

次回はこのHPを使って反捕鯨の金字塔である、

カメクジラネコさんのサイト、「クジラを食べたかったネコ」
http://chikyu-to-umi.com/kkneko/index.htm

について書いてみようかと思います。

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英語サイトに証明されている「鯨類売れ行き不振」の大嘘

 日本国内でよく、「鯨肉は売れていないのだから調査捕鯨などあきらめるべき」と主張する反捕鯨論者の主張が数多く見られますが、これは海外において全くといっていいほど見かけません。それもそのはず、鯨肉消費について精密に調査している個人サイトが英語のサイトにあるからです。それが今回紹介するサイト、ニュージーランド人David氏のサイト、David@Tokyoです。

David@Tokyohttp://david-in-tokyo.blogspot.com/

彼の記事内容は大変興味深いのですが、それと同時に彼はグラフなどで鯨肉の在庫数及び消費動向などを精密に調査して発表しています。そのなかでも日本の新聞記事から売れ行きから精密に調査し、とても素人とは思えないほどの膨大なデータをまとめてブログで発表しています。このサイトがあるおかげで西洋人は「クジラは売れ残っている」なんて馬鹿なことを言わない理由がはっきりとわかります。では、そのサイトの内容についてですが、本日もこんな記事が書かれていました。在庫率指数(Inventory ratio index )についてです。実際、日本の反捕鯨サイトでも在庫と出荷量を比較してクジラの売れ行き不振を主張していますが、月々における市場の在庫量、出荷量、及び入荷量の比較が抜けていたりと統計データとして主張するには明らかにデータが不足しています。では、在庫指数とはなんなのでしょうか?

在庫指数
http://www.nikkei.co.jp/keiki/words/20001125m93bp011_25.html

鉱工業製品の在庫量を出荷量で割ったもの。在庫は生産の結果で、景気に対しては遅行する。また在庫の増加は「モノが売れない」場合と「企業が増産」した場合に起こるため、それだけでは景気判断ができない。そのため在庫と出荷を組み合わせて作成された指標。景気拡大期には在庫の増加以上に出荷が増加するため在庫率指数は低下、逆に景気後退期には上昇する。景気に先行して動くことが多い。
要するに、本当に売れ行き不振を主張するならば在庫指数率の増加を証明しなければならないわけですな。ではリンク先にあるDavid氏が作成した2007年までのグラフによれば調査捕鯨船団の帰港による鯨肉の大量入荷の時期を除いて在庫率指数は6を前後しているので在庫量に対して該当する消費量であると結論をつけています。製品を取り扱う仕事をすればわかりますが、製品は新しく生産されて出荷するまでに完全に売りさばく完売が目的ではなく、出荷量に値する在庫量を維持し続けることが最大のポイントとなってきます。要するに、売れ続けているか否かが重要なポイントとなってくるわけです。もちろん、過剰に生産しても売れ行きが落ち込めば在庫が急速に増えますし、予想以上に売れたならば在庫は急速に少なくなり、売り切れとなり売りたくても売れません。鯨肉の場合は年2回しか生産されませんし、入荷量も南氷洋と北西太平洋では捕獲頭数が違いますから、在庫をある程度保つのは当然です。

鯨肉の在庫指数率についてはこちらを参照してください

http://3.bp.blogspot.com/_8TnJRwkIfd4/SZfV03HCKZI/AAAAAAAAAyw/kHCquVDIK-o/s1600-h/inventoryratio_0812.png

 以前にも水産庁の森下氏が「鯨肉の在庫はここ数年安定している」行っていましたが、在庫率指数のグラフから見ても6前後であることから氏の主張の正しさを裏付けています。では、年間の市場における出荷量における入荷量はどうなっているのか?これもDavid氏が農林水産省や市場のデータからグラフにしています。まず、年間の入荷量および消費量を比較したグラフから。

http://1.bp.blogspot.com/_8TnJRwkIfd4/SZd-AOG_k8I/AAAAAAAAAyg/2scGH6gKtqo/s1600-h/annual_0812.png

このグラフから見てもわかるとおり、調査捕鯨を中心とした鯨肉の入荷量、および出荷量はほぼ、同等になっています。ここ数年は出荷量が入荷量を上回っていますので以前よりも在庫量が減っていることがわかります。実際、下のリンク先に示したグラフからもわかるとおり、鯨肉の生産量が減ってしまった結果、2007年度の在庫量は2006年度に比べて大幅に減ってしまいました。

http://1.bp.blogspot.com/_8TnJRwkIfd4/SZd9ucPeD5I/AAAAAAAAAyY/SpAGHXCjxzA/s1600-h/monthly_0812.png

3000トンの在庫から2500トンにまで在庫が減ってしまったのがお分かりいただけるかと思います。昨年の12月でも鯨肉を取り扱う主な市場では石巻市を除いて、すべて出荷量が入荷量を上回る有様でしたので在庫の減少は今後も続くかと思われます。実際、2007年度の消費量と2008年度の消費量が同じなのですからシーシェパードが行ったテロ行為は在庫の減少という鯨肉を扱う業者の妨害もした営業妨害に過ぎなかったわけです。

http://3.bp.blogspot.com/_8TnJRwkIfd4/SZd9n7oaJyI/AAAAAAAAAyQ/YkScPOfUaJ0/s1600-h/monthly_out0812.png

これらのグラフからして、結局、「鯨類売れ行き不振」は神話に過ぎなかったわけで、「在庫」を主張する反捕鯨論者はどう反論するのでしょうかね?

http://david-in-tokyo.blogspot.com/search/label/stockpile%20figures

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日本鯨類研究所(ICR)の投稿論文が少ないといわれるわけ

 またまた捕鯨関連になります。なにしろ、ここで書くネタで近年急速に反捕鯨キャンペーンに力を入れる日本語サイトが続出したので捕鯨関連の記事が延々と続いてしまうのです。それと同時に捕鯨についてなにもしらない人が誤解されてしまうのでその誤解について色々と書かなければならないということでもあるわけです。

 では、まず、批判、というより誹謗中傷ともいえますが、その中でも特に気になった誤解が生じやすいものを取り上げてみましょう。

「調査捕鯨の本来の目的に関係ありそうなのはたったの管理関係の6本である」
調査捕鯨とは鯨類における致死調査で資源管理よりも調査対象となった鯨類の科学調査なのですからそれに関係する論文は生理学、生殖、化学の関係であって分野が違う技術委員会に関係する論文は本来ゼロであってもおかしくはないのですよね。前回、「反捕鯨論者を狂わす石井敦監修のIWC 科学委員会公式文の悪質誤訳論文」でも引用しましたが、鯨類研究所の顧問、大隅博士も「鯨論、闘論」で指摘しているように、
「RMS (改定管理制度)は,RMP (改定管理方式)を基にして,商業捕鯨を実行するための制度であり,IWC の科学委員会の範疇ではなく技術委員会の検討事項であり,捕獲調査とは直接に関係しません。」
ということになり、この結果、管理関係の論文はたったの6本ということになるわけです。
 
 では、査読された論文についてもうちょっと掘り下げてみましょう。以前にも紹介した鯨類研究所の英語サイトで紹介されている査読尽き論文の題名リストを紹介しました。そのなかで、一番多かったのがIWCに寄稿した論文なのですが、1990年代後半から2000年代になってくるとJournal of Reproduction and Development やMarine Mammal Science、果てはCarbohydrate Researchなど、海洋動物専門誌や繁殖学専門誌への寄稿が増えてきています。なぜに、鯨類専門誌やIWCへの論文が少なくなったかというと、科学論文のばあいは実験結果を証明させるために専門誌への寄稿、搭載が必要となるわけです。たとえば、魚の遺伝子を研究する場合、魚類学専門誌へ論文を寄稿すると思われますが、その前にその遺伝子の研究が魚類学ではなく、遺伝学的に正しいことであることを証明しなければなりません。そのために研究を遺伝子専門誌に寄稿して、遺伝学的に正しいことが証明された跡に魚類専門誌へ寄稿します。
 
 鯨類でも同じで鯨類の致死調査で妊娠率を調査する場合、その調査が鯨類学の上で正しいことである前に、その科学調査が繁殖学の上で前例がない場合は、繁殖学の論文誌に寄稿する必要があるわけです。ようするに、鯨類学専門誌はあくまで鯨類学だけに絞っているわけであってその他の科学分野ではそれが正しいかどうか保障できないわけで、結果として動物学や繁殖学専門誌に鯨類研究所は調査結果を多く提出することになるのですな。

 このほかの専門誌へ投稿しているということはよくよく考えればそれだけ最新の科学であり、前例のない研究結果であることがわかると思うのですが、逆に専門誌だけに投稿しているほうが研究の視野があまりに狭く、新しい研究ではないと思うのは私だけですかね?また、鯨類研究所はIWCの管轄ではないので生態調査や科学調査をIWCが上げている研究テーマ以外にも様々な科学分野に貢献していることがわかります。様々な科学誌に寄稿しているということで。

 よってこれを受けてなぜに「科学論文が全く提出されていない」というのかさっぱりわかりません。まあ

、「こうした致死的捕獲を必然的に伴う日本政府の科学研究プログラムから「生じた査読論文は極めて少数にとどまっているばかりか、(IWC科学委員会発行の)『Journal of Cetacean Research and Management』に掲載された論文本数はゼロであり、そればかりか種の管理のために用いられる科学的パラメーターに関連した査読論文は、たった1本(系群構造に関するもの)であるに過ぎない」と論難している」という指摘が引用されています。
といって、実際にはそれが嘘であることがばれると、今度は
「日本が何か論文をIWCに提出すれば、IWCはそれがしょうもない物でも「日本がこんな物を出してきたよ」と紹介する。すると日本は「ほれ、査読がついた!」と宣伝するのである。
と「IWCの論文は査読つきではなく、しょうもない物を紹介する国際機関」といっているに等しい意味のIWCに対する誹謗中傷を繰り返すお方の発言なので、反捕鯨の方がいかに人間性として理性が賭けているかわかりますな。だからこそ、人種差別発言である「黄色いサル」と日本人のみならず、アジア人を差別する罵声言葉も平気でいい、チベット人やウイグル人をクジラと同等の獣とみなせるのでしょうな。

結論、反捕鯨論者は人種差別主義者であり、帝国主義の復活を目論むテロリストである

追記

http://suisantaikoku.cocolog-nifty.com/genyounissi/2008/09/post-e30b.html

たしかに義理を果たしてくれたのかどうかの確認はできなくなりますが、逆に、国名が記入されたままの投票の場合、日本からODAを受けた国が賛成票を投じれば、「やっぱ日本に買収されてやんのw」と批判される可能性も考えられます。また、反対国をODA攻めにして寝返りさせることも可能でしょう。
うーん、ならばODAを日本から受けとっている捕鯨賛成国であるパラオやその他の発展途上国がすでにその批判にさらされていると思いますが、そんな記事もソースも見つかりませんな。まあ、こんな批判は「自国の国益」が最優先の国家間の交渉では「国際法に基いた外交交渉ですが何か?」といわれて失笑されるだけでしょうな。国際交渉の場であれば(--;)。グリーンピースってクジラのこととなると国際交渉、外交がなんであるのかわからなくなるのでしょうな。

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漁獲を減らしながら、水産資源を増やし、漁獲高を増やす方法、ITQ

 最近まで捕鯨関連の記事が続いていたので久しぶりに漁業について書いてみようと思います。まず、前回の記事でグリーン・ピースジャパンんにも納得ができる主張があるそ、将来の漁業においてきわめて重要な意見を主張していることを次回の記事で紹介すると私は書きました。

 では、その主張とは何かというと、将来における漁業のあり方についてです。これには以前にもミナミマグロの過剰漁獲(乱獲)問題で批判した勝川俊雄氏がわかりやすくご自信のサイトで紹介しています。

詳細はhttp://suisantaikoku.cocolog-nifty.com/genyounissi/2007/02/post_df27.htmlを参照。

もっとも、私の批判は間違っていたことが判明しましたので、勝川氏のブログで謝罪と主張の撤回をコメントいたしましたが、このブログで改めて、ミナミマグロの過剰漁獲について主張を撤回し、勝川氏へ陳謝いたします。大変申し訳ないことしました。まことにすみませんでしたm(__)m

 実は勝川氏は将来の漁業方針(主に漁獲方法)について水産専門新聞、「みなと新聞」に度々記事を寄稿しています。同じく近年水産庁を退職し、政策研究大学院大学教授となられた小松正之氏も「みなと新聞」で欧州の水産大国、ノルウェー、アイスランドを例に出し、今後の水産業、とくに漁協における構造改革の必然性を度々記事にしては寄稿しています。

 それでは、彼らの主張する今後の漁業について、それはどういうものなのか、簡素に説明しますと、現在のTAC(漁獲可能量)方式からITQ方式(漁獲割当量)に変えろというものです。現在の漁獲方法は一定の地域に漁獲可能量だけが割り当てられ、それを漁業権を種直している漁船団がこの漁獲高に到達するまでにできるだけその船団が他の船団と競争しながらできるだけ多く漁獲してしまうという方式です。要するに、海洋法、漁獲可能量内で船団同士が行う、水産資源の奪い合いというわけなんですな。まあ、TACはオリンピック方式でもあり、これは戦後、クジラの管理方式としても適用されていたのですが、クジラではこの管理方式で資源が激減し、見事に失敗しています。クジラの場合は繁殖力が低く、一度生息頭数が減ればなかなか増えないのですぐにその欠点があらわになりましたが、遅かれ早かれ、その海洋生物も同じなのですから水産資源だってこの方法では失敗することが目に見えています。

 こんな方法でやり続ければミナミマグロの過剰漁獲も発生して当然ですし、競争重視ですから当然、資源の枯渇を招いてしまいます。

 たしかに資本主義は国の経済発展に欠かせないものなのですが、資源が有限で再生可能であれば過剰な競争原理に基く資本主義の導入はかえって有害であり、産業の相続を困難なものとしてやがて完全な衰退をも起こしかねません。現在も水産大国として度々、水産資源を輸出しているノルウェー、アイスランドもこの過剰漁獲のために資源の予想を上回る急な激減を招き、近年、水産資源を日本に輸出しているオーストラリア、ニュージーランドもこの危機に立たされるという事態におとずったわけです。

 「みなと新聞」は水産関連の会社でないと、値段の問題もあって購読が難しいのですが、ITQについて知りたい場合はやっぱり勝川氏のサイトがお勧めです。

 では、ITQ方式とはなんなのか、簡単に説明すると水産研究所などの研究機関が資源調査を元に繁殖力などの資源回復力などのデータとして漁獲高を計算し、これを漁業権を取得する各船団、あるいは漁船一隻に対して漁獲高を割り当て、船団、あるいは船や会社同士でその漁獲高の交換、売買も可能というシステムであるというわけです。この方法を採用すればそれぞれの水揚げ量が他の船団に先に漁獲されて減ってしまうという心配もないので個人で良質な水産資源を決まった時期に、さらに効率的に漁獲できるということなのです。

簡単に説明すれば

小松正之氏の説明を引用するとしましょうhttp://greenpeace.or.jp/download/symposium/jp/2_masayuki_komatsu.pdf

・TAC(Total Allowable Catch:総漁獲可能量) 魚種毎に漁獲できる総量を定めることにより資源の維持または回復を図ろうとするもの。この総量は、その年の資源量によって毎年変更される。

・IQ方式(Individual Quota:個別割当方式) TACを漁業者、漁業団体又は漁船ごとに配分し、分与する方式。

・ITQ方式(Individual Transferable Quota:譲渡可能個別割当方式) IQ方式のうち、分与された該当量を他の漁業者にも譲渡できるように措置する方式。

・オリンピック方式 自由競争の中で関係漁業者の漁獲を認め、漁獲量がTACに達した時点で採捕を停止させる方式。

・ノルウェーではIVQ方式(Individual Vessel Quota:漁船別漁獲割当)

 たとえば、従来の漁獲方法では沿岸に漁獲する回遊魚が近づく前に沖合いで他の船団がすべて取ってしまい、漁獲可能量に到達してしまうので他の船団も沿岸に回遊魚が近づく前にわざわざ燃料と労働時間を増加させて、沖合いに出て行かざるを得ない。その結果、わざわざ行わなくてもいい漁船の改造し、船に使う燃料代も上げざるを得ない。また、釣りや刺し網の方が良質な魚が取れるにもかかわらず、漁獲競争から脱落しないために効率を上げて流し網や底引き網を使わざるを得ない。しかし、ITQ方式で漁獲高を船舶ごとに決めてしまえばこのような投資を行わずとももっと低価格で良品質な水産資源を持続的に漁獲することも可能となるわけです。

ITQ(譲渡可能個別割り当て)方式

ITQは、IQ同様に個別に配分した漁獲枠を金銭による譲渡可能にした方式である。
この譲渡可能性が経済的な最適化、特に過剰漁獲能力の削減に大きな役割を果たす。

個々の漁業者で、経済性は大きく異なる。
船を出しても赤字の漁業者もいれば、確実に利益を出す漁業者もいる。
同じ量の漁獲枠であっても、得られる利益は漁業者によって大きく異なるのだ。
例えば、1トンの漁獲枠から100万円の利益を出せる漁業者Aと、
同じ漁獲枠から10万円利益しか出せない漁業者Bが居るとしよう。
漁獲枠が譲渡不可能であれば、漁業全体で2トンの漁獲量から110万円の利益となる。
もし、漁獲枠が譲渡可能であったらどうなるだろうか?
1トンの漁獲枠は漁業者Aには100万円の価値がある。
一方、漁業者Bには10万円の価値しかないので、
漁業者Aは、漁業者Bの漁獲枠を10~100万円の価格で買い取るだろう。
例えば、50万円でBの漁獲枠をAに売却したとしよう。
この譲渡によってAが得た利益は、売り上げ増から漁獲枠購入費用を引いた50万円
この譲渡によってBが得た利益は、漁獲枠売却益から、本来の売り上げを引いた40万円
漁業全体の利益が110万円から200万円に増えるのである。

ITQでは、漁獲枠当たりに利益が高い経営体に漁獲枠を集めることで、
資源の経済的有効利用をはかることができる。

さて、漁業者Bの立場になってみよう。
漁獲枠を漁業者Aに売った方が、自分が獲るよりも利益が出る。
ということは、船をもっていても無駄になるわけだ。
船の維持費はバカにならない。現に船の維持費を稼げない経営体も多数存在する。
漁獲枠を譲渡した方が利益になるような経済的に劣った経営体は、
漁獲枠を永久に譲渡して、船を処分するだろう。
こうして、利益率の高い経営体に漁獲枠が集まる一方で、
利益率の低い経営体は撤退をすることが可能である。
儲かる部分を残して、漁獲能力の削減が可能なのだ。

そして、これを実行しているのがアイスランド、ノルウェー、オーストラリア、ニュージーランドなのですな。小松正之氏著、「これから食えなくなる魚」によればニュージーランドでは当初、この方法を導入したところ、現場の漁業関係者から猛反発を受け、お蔵入りになったものの、その後の漁業資源の激減でこれを実行してあえて現在では漁獲高が増えているということなので、日本でもこれを導入するとすれば現場の猛反発が予想されることは間違いありません。また、この方式を導入すると同時に多くの老巧化した日本の漁船を補助金を渡して解体しえ削減し、資源の保護が実行されなければなりませんのでその手続きにも時間が掛かるのですが、将来の水産資源の持続的利用を考えると実行に移さなければならない段階にきているとおもいます。

 そして、この管理方式に賛成している団体がいます。グリーンピース・ジャパンです。

海から魚が消える? 私たちが今できること

「世界の海は漁業によって大きくその姿を変えられてしまった。海の状態を持続可能なレベルに戻すには、海洋保護区の設立が不可欠」とダニエル・ポーリー氏は指摘した。

小松氏は「日本の水産業の未来」と題して講演し、衰退の続く日本の水産業、海洋生態系の変化についていけない日本の漁業の実態を解説、「魚食をまもる水産業の戦略的な抜本改革」の必要を訴えた。


日本の漁業事業者や小売業者からも事例報告が行われ、イオントップバリュ株式会社トップバリュ商品本部生鮮食品部部長の山本泰幸氏は、イオングループが展開する「持続可能」と「食品安全」をテーマにした自社ブランドの取り組みを例にとり、企業の担う責任に言及した。

「私の会った日本各地の漁師の方や魚市場の仲買人の方は、代々続く海の仕事をいい状態で次世代に引き継いでいきたいと願っている。将来の世代に魚をのこすため、環境保護NGOとして、こうした方々を支援する活動を展開していきたい」と、グリーンピース・ジャパン海洋生態系担当の花岡和佳男はグリーンピースの今後の活動への抱負を語った。

グリーンピース・ジャパン事務局長、星川淳は「海洋環境の保護が急務であることは本日の参加者の熱気からも証明された。海洋保護区の設置と持続可能な漁業の推進を、日本の漁業関係者とともに進めていけると確信した」と、盛況に終わったシンポジウムを締めくくった。

最後の星川氏は鯨肉の窃盗で捕まった幹部です。星川さん、漁業に捕鯨が含まれている以上、あなたの主張は明らかに矛盾していることに気がつきませんか(--;)クジラも水産資源であることから魚と同じように扱えば持続可能なんですけど。混獲率も銛や突きん棒でつくわけですからほとんどゼロですし。漁業に捕鯨を付け加えると。

「海洋環境の保護が急務であることは本日の参加者の熱気からも証明された。海洋保護区の設置と持続可能な捕鯨の推進を、日本の捕鯨関係者とともに進めていけると確信した」

うーむ、どう考えても捕鯨肯定派の台詞にしか読めない。

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