資源が枯渇している鯨を獲り続けている反捕鯨国
現在ではアメリカ合衆国が反捕鯨国であることは日本の方々の多くも知っていることかと思います。以前にもオーストラリアが国際条約で取り決められている調査捕鯨の実態について理解していないということを書きました。しかし、この場合は捕鯨に実際深く関わっていない国であることから理解していないところが度々見られることも理解できるものでもあります。鯨食文化がない国では鯨に対する関心が薄いのも無理もないということです。
しかし、上記に述べたことであったならまだ可愛いものですが、自国は鯨を獲っているくせに他の捕鯨国に対して「鯨を獲るな!」と主張する始末に終えない国があります。それはイヌイットにホッキョククジラを獲らせ続けているアメリカ合衆国です。
先住民生存捕鯨の現状
http://www.jfa.maff.go.jp/whale/document/brief_explanation_of_whaling_jp.htm#aboriginal
によれば、米国はアラスカで年間51頭もの(60頭の説あり)ものホッキョククジラを獲っています。獲っているのは先住民であるイヌイットですが問題なのは獲っている鯨です。この鯨、IWCでも資源が枯渇状態にあると規定されているのですな。ようするに、国際条約によって獲ってはいけない鯨なのです。そして、さらに問題なのはアメリカは北西岸のワシントン州にいるマカ族にも先住民生存捕鯨の名の下に捕鯨の再開を認めてしまっています。
ホッキョククジラというのは一頭訳、80トン(日本がとっているミンククジラは5トン)もの重量があり、このホッキョククジラ60頭をミンククジラに換算すれば960頭分にもなります。要するに、日本が調査捕鯨で捕獲しているミンククジラ訳500頭よりもはるかに多くのクジラをアメリカはとっているというわけです。さて、この問題となっている先住民生存捕鯨なるものは一見立派な文化保護を名目にした已む無き捕鯨のように理解されているそうですが、これが実は欠点だらけの法律だったりします。
先住民生存捕鯨
http://www.kujira.no/iwc_2003_aboriginal.htmによると、先住民生存捕鯨とは
先住民生存捕鯨とは地方的原住民の消費のため、先住の人々による、彼らのためのもので、彼らは捕鯨及び鯨の利用に、引き続き伝統的に依存しているという点で、強い社会、家族、及び文化的な団結をもって結ばれているもの。というものだそうですが、この条約が規制しているものは「その肉、および製品が地域の消費に限られる」というだけで貨幣による商売取引を禁止するものや、古式捕鯨に限定されているという規定も存在しません。その結果、アラスカではこれらクジラは地元で工芸品がお土産として売られていたり、先住民がガソリンエンジンを使った近代式捕鯨によって捕鯨を行っている有様です。地方的消費とは原住民の栄養、生存、文化的必要性を満たすため彼らが鯨肉産物を伝統的に利用すること。この用語には生存のための捕獲から得られる副産物の交易も含まれる。
生存のための捕獲とは先住民生存捕鯨操業による鯨の捕獲である。
しかも、これら先住民が生存の為に捕鯨が必要不可欠かといえばそうではなく、アラスカの場合は海底油田から生まれる利益で裕福な生活を送っていますし、ワシントン州のマカ族も捕鯨を取らない普通のアメリカ人と何ら変らない生活を送っています。
商業捕鯨の再開を希望し、調査を続けているわが国に対しては強硬な反対をするくせに、自国では我々の沿岸捕鯨と対して変りはないか、あるいはそれ以上に資源状況が危ないクジラの捕鯨を行わせ続けているアメリカは反捕鯨国の中でも特に立ちの悪い国としか言いようがありません。また、グリーン・ピースやそのほかの環境過激団体もこういった矛盾だらけの先住民の捕鯨を続けさせているアメリカ政府に対してはまったく無視をし続けているという事自体、もはや彼らがアメリカ政府の回し者であることは明確です。
もし、生存捕鯨を名目に捕鯨を続けさせるならばその捕鯨によって獲ったクジラを少しでも鯨類研究に役立たせるために日本のようにクジラの生態を研究してみればと思います。クジラは海中に生息する生物であることから目視だけでは把握できないことがかなりあります。ましてや資源が枯渇状態にあり、調査捕鯨すらできないホッキョククジラを獲っているわけですからすべて先住民に任せて研究や調査を放置させておくこと自体もはや鯨類の生態に対する研究も解明などの真実も無視してただの空想上の見下した生き物としか見ていないことを明確に主張しているようなものです。
私はなにも彼ら先住民の捕鯨を全面的に否定しているわけではありません。しかし、その先住民の捕鯨を生存捕鯨の名の下に無条件で許す傍らわが国の捕鯨を一切認めないアメリカ政府はもはや、わが国を完全に差別しているダブルスタンダードのその態度ではもはや、反捕鯨を唱える資格が全くないことをし指摘いるというわけです。
ちなみに米国はマグロの沿岸流し網漁業と巻網漁業でイルカを十数万頭、混獲によって殺しています。日本でしたらDNAを採取した後、地元で消費するなりできるだけ無駄のないように使いますが、アメリカではこうした規定がないために海中に捨てられて終わりです。わが国よりもはるかに鯨類資源を無駄にしているアメリカに果たしてわが国の商業捕鯨再開や調査捕鯨に反対を唱える資格があるのか?少なくとも、彼らは鯨類研究の機会すら無駄にしているわけですから科学的に日本の捕鯨に反を論ずることは当分の間は不可能でしょう。
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Comments
こんちは!夏も終焉が近づいてきました。
そろそろ秋祭りの準備です。
先住民生存捕鯨に賛成するのが反捕鯨国、全面的に反対という捕鯨推進国にはないと思っているけど、ちょっとしたねじれか?
国際捕鯨取締条約の趣旨「鯨類資源の保存と捕鯨産業の秩序ある発展」を目的だったはずなのに・・。IWCの変質は、ベトナム戦争以降なのかな、グリーンピースやら環境保護でイメージUP、他、確かに米国の政治的思惑・戦略なのでしょう。
ちと、古いけど↓
http://web.agr.ehime-u.ac.jp/~hosokawa/hogei2.html
捕鯨に関係ない国のIWC参加も増えてるし。
だからこそ、(批判はもっていますが)ある意味この先の戦略として「先住民生存捕鯨賛成」の入り口は貴重ではないかと考えます。
商業捕鯨と先住民生存捕鯨の間を区別する線はあいまいだ、いや、あきらかに違う、という説を丁寧に、論じていくことは大事でしょうね。(ちなみに、私は曖昧派)
IWCが本来の趣旨に立ち戻り(保全と継続的利用の原則の精神)、IWCが同じ管理目標で捕鯨を管理できれば参加国としての意味もあるのだが。
鯨類の保護一辺倒に偏ったものではね・・
オマケ:(このHP一般向けに読みやすくまとまってますね)
周知のとおりですが、各国の投票態度↓
http://ww7.tiki.ne.jp/~yosizen/jyohou/IWC/IWC.htm
Posted by: 夏もくれん | August 21, 2005 at 02:54 PM
反捕鯨国のダブルスタンダードですか。困ったものですね。(-_-;
反捕鯨国をひいきするわけではないですが、ひょっとしてこれらの国々の人々の中にも、
「捕鯨国が勝手に鯨を捕るぶんには問題ないけど、鯨を食べたくない。」
「捕鯨には反対したいけど、下手すると少数民族の文化を弾圧するようで…、気が引ける。」
と考えている人々がいるんだろうか?と思ってしまいましたよ。
まあ、私に言わせてもらえば、
「それだったら、『反捕鯨デモ』だけではなく『捕鯨賛成デモ』もやってみろ!」
と言いたいですが。(^^;
Posted by: 辰乃与太郎 | August 21, 2005 at 07:36 PM
美味しんぼ第13巻
http://www.asahi-net.or.jp/~AN4S-OKD/private/bun/man00913.htm
美味しんぼ5 激闘鯨合戦(5)
角丸は寛玉に助け舟を出す。「心配いりません。セミ鯨のヒゲがアメリカから買えますよ」「へっ」「アメリカは去年北極セミ鯨を26頭獲っている。26頭のセミ鯨なら文楽の人形に必要なヒゲが20年分くらいとれるでしょうな」大騒ぎする一同。「ええっ。アメリカが鯨を殺しているんですって」さらに続ける角丸。「問題は北極セミ鯨は千頭しかいない、ということです。千頭のうちの26頭は獲りすぎですなあ」
「一方、ミンク鯨は南氷洋の一定の海域で44万頭、全世界では100万頭いるといわれている。去年日本が獲ったのは1941頭。これは鯨の増殖に問題ないでしょう。北極セミ鯨を絶滅に追い込んでいるのはアメリカさんでしょう」「むう」山岡もここぞと追随する。「最近のIWC総会でアメリカは北極セミ鯨の頭数は3000頭から4000頭とか言い出して、今年の捕獲頭数を32頭に増やしやがったんです」
「汚いぞ。アメリカ」と騒ぐ一同。絶叫するワット。「黙れ。黙れ。それは事情があるんだ。アラスカのエスキモーどもが生きるために仕方なく許してやってるんだ。鯨を獲っているのはアメリカ人じゃない。エスキモーの野郎だ」「酷い奴だ。アラスカはアメリカの州なのにエスキモーはアメリカ人じゃないなんて」「それは、いや、あの、そのう」角丸は冷たく言い放つ。「ワット。お前の正体が見えてきたな。私はあれから捕鯨について勉強したんだ」
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この頃の「美味しんぼ」は良かったなぁ。( ̄~ ̄;) ウーン
犬肉の話題の頃からだんだんおかしくなっていったような気がするのは気のせいかしら?
ちなみに犬肉を美味しく食べるためには、さんざんいじめてアドレナリンを犬に出させると良いみたいです。
さすがに、その辺の情報までは書けなかったでしょうなぁ。
Posted by: 空楽 | August 21, 2005 at 08:16 PM
>夏さん
>国際捕鯨取締条約の趣旨「鯨類資源の保存と捕鯨産業の秩序ある発展」を目的だったはずなのに・・。IWCの変質は、ベトナム戦争以降なのかな、グリーンピースやら環境保護でイメージUP、他、確かに米国の政治的思惑・戦略なのでしょう。
>「先住民生存捕鯨賛成」の入り口は貴重ではないかと考えます。
商業捕鯨と先住民生存捕鯨の間を区別する線はあいまいだ、いや、あきらかに違う、という説を丁寧に、論じていくことは大事でしょうね。
環境過激団体からの票はほしいが、かといって先住民の文化を弾圧するわけにも行かないという理由でクジラを捕らせてしまう。国内でもどのような事情が積み重なっているのかがよくわかる一例です。
結局は政治が目的であって「クジラを保護する」云々に科学的根拠というのはまったくないのですな。
ちなみに捕鯨を止めたのも黄渦論と似たような発想から生まれたということらしいです。
>たっつぁん
>「捕鯨国が勝手に鯨を捕るぶんには問題ないけど、鯨を食べたくない。」
「捕鯨には反対したいけど、下手すると少数民族の文化を弾圧するようで…、気が引ける。」
>と考えている人々がいるんだろうか?と思ってしまいましたよ。
まあ、私に言わせてもらえば、
>「それだったら、『反捕鯨デモ』だけではなく『捕鯨賛成デモ』もやってみろ!」
>と言いたいですが。(^^;
アラスカの先住民よりも捕鯨が生存の為に大切であったはずのトンガ王国が、弾圧によって捕鯨を止めさせられてしまったという事情があります。
グリーン・ピースなどの環境過激団体は国内で捕鯨や混獲によるイルカの大量死にまったくダンマリでありながら、文化としての他国の捕鯨について弾圧するという、欧米中心主義
であることがよくわかります。
結局、彼らは自分らがクジラを錦の御旗にして差別を続行しているとんでもない団体だったというわけですな。
>空楽さん
>この頃の「美味しんぼ」は良かったなぁ。( ̄~ ̄;) ウーン
犬肉の話題の頃からだんだんおかしくなっていったような気がするのは気のせいかしら?
なんだか、アジアやオーストラリアを取り上げ始めてからおかしくなったような気がします。
その割には韓国の鯨食文化を取り上げたりしていないようですが(^^;)
>ちなみに犬肉を美味しく食べるためには、さんざんいじめてアドレナリンを犬に出させると良いみたいです。
>さすがに、その辺の情報までは書けなかったでしょうなぁ。
うーん、それははじめて聞きますな。犬肉は食べる前に筋が多いので肉をよく叩いてから調理するという話は聞いたことがありますが。
Posted by: 水産大国 | August 22, 2005 at 10:14 PM
しばらくの間、ネットが使えないので、ブログも更新できません。もちろん、返事もできませんので、あしからず。m(__)m
Posted by: 水産大国 | August 22, 2005 at 10:16 PM
海外ですか…、ご苦労さまです。
Posted by: テンペ | September 12, 2005 at 09:46 PM
はい、海外です(--;)
遠く、祖国を離れて環境もがらりと変り、日本にいるときのように容易にネットができるような環境にはありませんが、それでもなんとか時間をちょくちょく作っては更新していきますのでよろしくお願いします。m(___)m
Posted by: 水産大国 | September 13, 2005 at 03:26 PM