「魚はフランス料理」?それはそれは
以前に水産物と農産物、畜産物の違いについて述べましたが、どうやらそれについて理解していない気の毒なお方が新鮮な水産物が最も手に入りやすい日本でもおられるようですな
http://homepage.mac.com/naoyuki_hashimoto/iblog/C873682283/E2080784910/index.html
魚といえば和食という思い込みが強い人がいるが、決してそんなことはない。逆である。和食の魚は加工しないことをもってよしとしているためか、単に包丁で切るだけ。ああいうものは「料理」ではない。焼き物にしても塩をかけて焼くだけだし、煮物にしても入れるものは醤油とみりんとだしばかり。単調なのだ。西洋かぶれといいたければいってもいいけど、一度きっちりしたフレンチ・レストランでお魚を食べてからにして欲しい。
和食の場合は日本が水産資源が豊富であり、その加工技術も最も進んでいた国であったから、魚の味を最大限に引き出すには調理をする際になるべく手を加えないことが最も最良の方法であることを理解しているのですな。魚は種類さまざまで、〆てから冷蔵して時間をかけた方が味が出て好まれる魚から〆てすぐに冷蔵して食べる魚から白身を挙げても種類さまざまで、これに肉質も味も旬、種類と脂と筋肉の乗り具合、部位によってまったく異なってくることから、調理に手を加えなくとも、その種類によって味がさまざまですから手を加えなくていいわけです。
逆にもっともいろいろ手を加えなければいけないのは鮮度の落ちた魚なんですな。魚は鮮度が落ちると生臭みが強くなり、冷凍期間が長くなると細胞内から水が解凍するときに流れ出て味が抜けてしまうなど、原料のまま加工せずに保存することは非常にデリケートなことなのです。肉と違って。この質の落ちた魚を調理する時に、いろいろなソースなどで強い味付けをしてしまう結果、生臭みは消えるものの味も消えてしまうわけです。
肉は大雑把に分けて、鳥、牛、豚、羊しか一般的に販売されないので味が単調で、その結果、調理するときにあれこれ手を加える料理が出てくるわけですね。また、魚は野菜同様、旬と地方によって手に入る水産物が異なりますから、料理が単純でも飽きられることなく、旬の風物詩として、あるいは地方の名物としていまでも親しまれているわけです。ご隠居さん、なぜに日本の水産物料理が単純に見えるのか、国内の水産物についてちゃんと調べてほしいと私は願います。
西洋料理でも鮮度のよい魚はステーキやグリルなど、日本で言う焼き魚にして食べられますし、北米でも鮮度のよい魚が流通できるようになり、寿司の人気が上昇しているという現実をご隠居さんは知らないのでしょうかね?
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Comments
刺身を魚のぶつ切りと書くような方ですからね。
料理人の技術などにも無関心なか方みたいですから、フランス料理のシェフも、ご隠居さんにフランス料理を勧めてもらっても嬉しくもなんともないでしょうね。
ご隠居さんは刺身も白ワインで食いかねん...。(-_-;)
Posted by: 空楽 | November 24, 2004 at 07:56 PM
水産大国様
こちらでは初めまして。辰っつあんです。m(__)m
私もブログをやっているのですが、いかんせん「身辺雑記」くらいしかアップしておりません。(^^;;
精進せねば。
嗚呼、自分の薄識ぶり、いやいや博識ぶりをひけらかしたいがために農業問題などで自爆しまくっている件のご隠居さんが、今度は「和食」&「魚料理」に対していっちゃもんを付け始めましたか…。
>和食の魚は加工しないことをもってよしとしているためか、
>単に包丁で切るだけ。ああいうものは「料理」ではない。
↑のご隠居さんのコメントって、ふざけていますね。本当に。
日本のまじめな寿司職人の方々や日本料理人が、ご隠居さんのブログを読んでしまったら間違いなく激怒するでしょうね。
オレ、知~らねっと。
水産大国さん、ご隠居さんのデムパ&トンデモブログに徹底的にツッコミを入れちゃって下さい。
ガンガレー!
Posted by: 辰乃与太郎 | November 24, 2004 at 07:57 PM
日本人は長年魚を食べ続けてきたから、魚の加工技術が発達しているのですな。
刺身はもちろん、なれ鮨、蒲鉾、干物、くさや、塩辛などなど。
イワシの糠漬けなどは、白いご飯や日本酒などには最高ですな。
猛毒のふぐの卵巣を糠に漬け込んで無害化するなど、先人の好奇心と知恵には恐れ入るばかり。
こうして長年培われた食文化は、他国の食文化と比べても、劣るものではない。
同様に、肉食が発達した国では、ソーセージや生ハムなど、長年培われた肉を美味しく食べる知恵があるのです。
こうした知恵は、日本人が一朝一夕で追いつけるものではありませんな。
他国の食文化について、詳しく知らずとも恥ではないが、自国の食文化について知りもしないくせにけなすような輩は、外国でもバカにされるでしょうな。
Posted by: 中村泰造 | November 24, 2004 at 08:41 PM
はじめまして水産大国さん。忍者 悟です。
>和食の場合は日本が水産資源が豊富であり、その加工技術も最も進んでいた国であったから、魚の味を最大限に引き出すには調理をする際になるべく手を加えないことが最も最良の方法であることを理解しているのですな。
それを見て、樋口清之さんの著書「完本 梅干と日本刀」を思い出した。チャンプの朝飯さんのところで紹介した本だけど、この樋口清之さんは食に関して詳しい人なので、もし書店で見かけたら是非是非ご覧ください。名著です、これは。
で、その著書から引用します↓
○ 日本料理の神髄は、自然と親しむこと
西洋人は、いかに自然の味を消してしまうか、いかに自然を征服したかということを舌で味わう。これが、西洋料理の基本的な姿勢である。
日本人は、舌を通じて自然と交流し、いかに調和していくかに喜びを感じる。そのために、自然の味を消さないようにする。それが日本料理の基本的な姿勢である。
簡単にいえば、西洋人はサラダというものを常食とする。いわゆる生で食べられる野菜に、ドレッシングをかけて食べる。生で食べられない野菜は、煮込んでソースをかけて食べる。
日本人は生で食べられない野菜でも“おひたし”いった形で、少し火を通すことによって、もともと野菜が持っている味を活かして食べる。日常の野菜の食べ方にも、これだけの差があるのである。
日本人の自然や外来文化に対応する姿勢は、食生活だけをとってみても、ひじょうに複雑で多様である。生で食べられるのは、なるだけ生の味を活かして食べる。少し火を通すだけで食べられるものはそうするし、煮込む必要のあるものは煮込む。それを三種類の醤油という調味料を使い分ける事で、多種多様な食品を食膳に上す。よく日本人は、淡白で粘りがないといわれるが、それは一面的な見方である。もし、そうなら、私たちの食膳ほど深く自然と交流することは不可能であろう。これほど多種多様な食品を食膳に上すことはできないだろう。私は、日本人の一日の食生活の中にさえ、大胆で図太く、無頓着にみえて、じつは、ひじょうに繊細で重層的な日本人の精神構造をそこに見るのである。
(引用終了)
私は食に関してはかなり恥ずかしいほど知らないし、ちっとも気を遣ってない人間でもあったりするから、この引用した文章の含意がどこまで正しいかという事のはっきりとした判断は正直できない。ただ長い歴史を持った国なので、「大胆で図太く、無頓着にみえて、じつは、ひじょうに繊細で重層的な日本人の精神構造」とでもいうのがあると考えるのは、むしろ当然の事になるかと思われます。
「単に包丁で切るだけ。ああいうものは「料理」ではない。焼き物にしても塩をかけて焼くだけだし、煮物にしても入れるものは醤油とみりんとだしばかり。単調なのだ。」というのは遺憾ですし、甘い洞察というものでしょう。
食の方は勉強が足らんので、水産大国さんのブログで勉強させてもらおうかと思っています。そして参考になりそうなものがあれば紹介していこうと思います。
ではでは。
Posted by: 忍者 悟 | November 25, 2004 at 04:30 AM
>煮物にしても入れるものは醤油とみりんとだしばかり。
醤油、みりん、鰹節などの製造の過程を知っていれば、こんな文章は書けない。
無知であるがゆえの傲慢がご隠居さんです。
この程度のブログが知的なブログとして紹介されるぐらいですからねぇ。ツッコミたくもなりますわな。
案外、みりんと言うものを勘違いしている人が多いようですから、紹介しときますね。
【木川屋com】 三河みりん
http://www.kigawaya.com/tyomi/mikawa.html
Posted by: 空楽 | November 25, 2004 at 06:22 AM
>煮物にしても入れるものは醤油とみりんとだしばかり。
ご隠居は、魚の芯まで醤油が染み込んで真っ黒になってしまったような煮魚しか食べてないんだろうか。
煮魚は調味料を食べるのではなく魚を食べる料理であって、調味料は魚の旨味を引き出す最低限の味付けに過ぎない。
煮魚で味わえるのは魚の味で、その味わいは魚の数だけあるのですな。
まあ、魚の味の違いがわからない人は単調な味というのかもしれない。
>みりん
みりんも列記とした酒であり、日本が世界に誇る和のリキュール。
現在はまがい物の新式みりんやみりん風調味料が幅を利かせていますが、伝統的な製法で造ったみりんは呑んでも美味しいのです。
Posted by: 中村泰造 | November 25, 2004 at 07:17 AM
思った以上の大反響!
空楽さんへ
旨いみりんのご紹介、ありがとうございます。「刺身も白ワインで食いかねん」そう、生魚や魚卵とワインは最悪の組み合わせで、白ワインとスジコを食べた日には最悪のひと時が待ち受けているわけです(><)。食事の組み合わせに合う、合わないはありますが、これはもう「ゲテモノ」の域に入ること間違いありません。
あと、美味い味醂というのは中村泰造さんも指摘しているとおり、そのまま飲んでも美味く、これは料理酒でもおなじなのです。その事実を自給屋の作農さんが教えてくれました。鰹節ですが、節は鰹だけではなく、これまた奥が深いので、日本の水産加工品についてそのうち詳しく述べてみようかと思います。
辰っつぁんへ
さっそくブログを拝見させていただきました。いろいろと大変そうですが、その苦労に毎日の絶え間ない努力をなされていることから心より応援しております。
知識の方を表示するのもいいのですが、ご自身の私生活の一部について述べることも、その人の個性というか、性格がわかり、一人の人生について考えさせてくれるので、違った形でまたこれがよいわけです。
まあ、輸入牛肉、輸入野菜が好きで穀類や国産野菜がお嫌いなお方ですので、そのような偏りすぎた食生活を送っているようでは魚の味はわかりにくいと思います。水産物の味ってデリケートですからね、扱い同様(^^;)
偏った食生活を送っている方があれが美味い、これが不味いとほめたり貶したりしても、料理人は嬉しくも悲しくもないでしょうに。只呆れられてしまうだけだと思われます。
中村泰造さんへ
西洋の水産加工品は塩漬け、酢漬け、油漬け、乾物(燻製を含む)が精々で、塩辛、くさや、かまぼこなどの高度な発酵食品や加工食品は皆無です。発酵食品といえばシュールストレミングという鰊を嫌気乳酸発酵させた食品くらいのものです。
なお、蒲鉾に使うすり身ですが、これも寿司が外国語で国際共通語である、「sushi」と呼ばれているのと同様、すり身も外国で国際共通語として「surimi」と呼ばれています。ペーストやミンチと違ってあの弾力がある加工食品はすり身以外にないのでしょうな。ちなみにすり身は魚肉以外では当たり前の話ですが生産不可能です(^^;)
このほかにも水産物由来の国際共通の日本語が多数あり、昆布から発見された成分で味の素の味となった昆布の旨味も、味覚の分類として、辛味、甘味、苦味、酸味、の次に第五の味覚として分類され、英語でも「umami」という単語で使われています。ご隠居さんはこの水産物の味の深さについてせめて知識だけでもわかってほしいのですが。母校の京都大学はこういった食品の研究でも国内で一番の名門なんですけどね(^^;)。
忍者 悟さんへ、
情報というか、文献ありがとうございます。持参した文献のとおりです。日本料理というのは食材に恵まれているのか、その食材の旨味を最大限に引き出すための工夫をするのですが、西洋では強い味を好むのか、水産物や米のようにデリケートな味のものはその強い味付けに負かされてしまうので、扱う魚の種類も大雑把になってしまうわけですな。
でも、新鮮な食材の場合は結局のところ、東西南北問わず、単純な料理になってしまうわけなのですな。しかし、中華の場合は料理が豊富ですが、日本料理とは対照的でものすごく、濃い味付けをした、さまざまな材料を用いた料理が多いですね。それはそれで良いのですが、中華料理(支那料理)は米も食べますが、どちらかというと西洋料理に近いのではないかと思う今日この頃です。日本人の味覚は魚料理を見ただけでもかなり鋭く、味にうるさい民族ですがその分、新し物好きで他国に負けず、なんでも食べる民族だと思うのは私だけでしょうか?
Posted by: 水産大国 | November 25, 2004 at 10:55 PM
余丁町散人さんへ
ナショイナリスティックって決め付けるには早いと思いますよ。
美味しく食べて健康になれるのであれば、別に地中海風であってもよしと認める方々ばかりですよ。(^_^;)
Posted by: 空楽 | February 12, 2005 at 12:35 AM